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はじめに

Xperia GXには購入時の状態から、FMラジオを受信するためのアプリケーションである”FMラジオ”というアプリが入っており、このアプリケーションと適当なヘッドセット（実は延長ケーブル等でも代用可）さえあれば、FMラジオ基地局からそれなりに電波が届く範囲であればFMラジオを受信して楽しむことができます。それはXperia GXが採用しているMSM8960というSoCがFMラジオの受信に対応しており、Sony Mobileがその機能を活かしたアプリケーションを開発し、実装したためFMラジオが聞けるようになっているのでしょう。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、Xperia GXに採用されているこのSoC、実はFMラジオのRX（受信）だけでなく、TX（送信）にも対応しています。※１何らかの理由があってだとは思いますが、FMラジオの受信機能は活かされているのに、FMラジオの送信機能は何故か殺されている、というのがこのXperia GXの現状です。（ちなみに一部富士通製スマートフォン等、FMラジオ送信機能は活きているが、FMラジオ受信機能は殺されているケースもあります。これらの機種ではFMラジオの送信用アンテナとしてワンセグのアンテナを利用するようです。）

いままでは、車内で音楽を流すときなど、必要に応じてUSB電源さえあれば動作する外付けのFMトランスミッタ（図１）とAmazonベーシックのUSBカーチャージャ（図２）を利用していたのですが、このFMトランスミッタ自体の性能はノイズが載らないなど十分だったものの、トランスミッタの電源を入れ直すたびにFMトランスミッタの周波数が初期値に戻されるなど正直不便なところが目立っていました。そこで、開いた時間にxdaをペラペラと見ていたところ、こんな書き込みを見つけてしまいました。名前は”Spirit FM Transmit”でいかにも・・・なアプリケーションですね。。。

図１　サンコーレアモノショップのUSB接続FMトランスミッター RAMA12L07(Amazonへ飛びます)

図２　Amazonベーシック USBカーチャージャー 2.1アンペア (タイプAメス 2ポート)(Amazonへ飛びます)

Spirit FM Transmitとは？

xdaでの書き込みによると、Spirit FM TransmitはXperia TとXperia Zクラスのみで動作するFMトランスミットを可能にするアプリケーションのようです。ここでいうクラスが何を意味しているのか文脈から理解できなかったのですが、Xperia TのAT&TモデルはXperia GXと同じSoCを採用していることからもひょっとしたらGXでも動くんじゃないかと思ったわけです。

Xperia GXで動くのか、必要な環境は？

結論から言うと、FMトランスミット機能はXperia GXでも動作しました。ただ、ストックの状態で動くのかどうかはわかりません。（私の環境では154氏のCM11を利用しています）以下に少なくとも最低限必要であろうものを記します。

・Rootedな対応デバイス（Xperia T, GX,  Z1, Z1 Compact, Z, Z Ultra）

・青字はアプリケーション作者あるいは筆者によって動作確認済み、赤字は未確認なものの動作が期待できるもの

・Spirit FM Transmit

・適当なヘッドセット

・購入時についてきたヘッドセットや適当なヘッドホン。延長ケーブルなど音が出ないケーブルのほうがお勧めです（理由は後述）

注意事項（必読）

まず考えなければいけないのは、そもそも免許を受けていない機器が電波を出すということに問題はないのか、ということです。電波法によると、

 

第四条 無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次の各号に掲げる無線局については、この限りでない。

一 発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるもの

(電波法第４条第１項より一部抜粋)

また、微弱な無線局の定義は

無線設備から3メートルの距離において、電界強度が毎メートル500マイクロボルト以下のもの

（電波法第６条第１項第１号より一部抜粋）

とあるように、”無線設備から3メートルの距離において、電界強度が毎メートル500マイクロボルト以下”であれば、免許は不要であり、問題ないように思えます。しかし、実際に販売されているFMトランスミッタでさえ、この微弱電波の規定をこえた電波を出力している機器がたくさんあり、中にはこのブログを見ておられる方であれば皆さんご存知のバッファローコクヨサプライが製造するBSFM06（リンク先PDFにつき注意）など総務省によって電波法に基づく免許等が必要な無線設備（リンク先PDFにつき注意）として使わないように注意・勧告されています。※２何故ならば、電波法によって取り締まりを受けるのは、製品を販売した会社ではなく、その無線機器を利用し、電波を容易に発することができるような状態においた者であるからです。従って、この章でお伝えしたいことはシンプルに

もし、このアプリケーションを用いてあなたが電波法違反等で摘発されたとしてもアプリケーションの作者や筆者は責任を一切取りません。

このアプリケーションを利用して受信可能なFM電波は、先述のRAMA12L07に比べると、非常に弱いものではあるのですが、このアプリケーションによって発せられる電波が純粋にFM電波だけであるという保証はありませんし、電波法で許可された微弱電波の定義による値より低いとは限りません。あくまで使用は自己責任でお願いします。

使用方法

１，こちらからアプリケーションをダウンロードし、インストールします（下図青枠内をクリックでダウンロードできます）

２，適当なヘッドセットや延長ケーブル等をXperia GXのヘッドホンジャックに接続します。

３，Spirit FM Transmitを起動後、SuperSU等でRoot権限をアプリケーションに与えます。

４，FM電波の出力が始まります。左右２つの三角ボタンで出力周波数の変更ができる他、メニュー→SettingsからRegional Band（地域バンド）を選択できます。殆どの人はJapanを選択すればよいのではないかと思います。

５，お好みの音楽や動画を再生します。この時再生時の音量を最大にするともっともよい結果が得られるようですが、ヘッドセットが故障する可能性もあるため注意が必要です。なお、延長ケーブル等でも代用が可能ですので、心配な方はそちらを使われればよいのではないかと思います。（100均等にもおいてあるはずです）

※１：http://www.wdic.org/w/WDIC/MSM8960を参照。

※２：この製品に関しては２０１３年１１月１４日よりバッファローによって無償点検が実施されています。